研究拠点の設備紹介
九州工業大学に設置・利用可能な備は下記の通りです。(神戸大学では原子状酸素を中心とした先進研究開発が行われています。神戸大学の設備についてもこちらからご覧ください。)
環境曝露試験装置
極限環境における材料の劣化を模擬するための装置です。主に宇宙環境模擬を、耐宇宙環境性を評価するため、宇宙環境を模擬した様々な環境要因に曝露する装置です。
<紫外線照射装置 1号機> |
真空チャンバー 諸元 寸法(内寸):310 mmφ×高さ380 mm 到達真空圧力:<1.0×10−4 Pa 照射波長域:120~200 nm 照射照度:太陽光照度の約40倍 照射面積:約6 cmφ(照度により変化) |
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<紫外線照射装置 2号機> |
真空チャンバー 諸元 寸法(内寸):395 mmφ×奥行380 mm 到達真空圧力:<2.0×10−4 Pa 照射波長域:200~400 nm 照射照度:太陽光照度の約1~6倍 照射面積:最大10 cmφ(照度により変化) |
<紫外線照射装置 3号機> |
真空チャンバー 諸元 寸法(内寸):200 mmφ×高さ220 mm 到達真空圧力:<1.0×10−5 Pa ロードロックチャンバによる効率的な紫外線照射試験が可能になる予定です。 |
<電子線照射装置> |
最大加速電圧:110 kV 最大電流:200 μA 照射面積:70 mm×100 mm 照射雰囲気:窒素ガス気流中もしくは真空中 |
<原子状酸素照射装置> |
低地球軌道に存在する原子状酸素環境を模擬するための装置です。写真の装置は神戸大学の田川雅人先生からの技術提供により、九州工業大学の宇宙環境技術ラボラトリーに設置されています。 高度な低地球軌道環境模擬をご希望の場合は、神戸大学の宇宙環境研究グループにお問い合わせください。 |
<真空耐久性加速試験装置および 熱サイクル試験装置> |
真空中での材料の耐久性を加速試験により評価する装置、および真空中の熱サイクルによる材料の物性変化などを評価する装置です。 現在、設備改修中です。 |
<材料改質・真空耐久性試験装置> |
元々はプラズマCVD装置です。材料改質などの実験を行ったり、真空耐久性試験を行ったりしています。 真空チャンバー 諸元 寸法(内寸):390 mmφ×高さ約48 mm (これ以上の高さについては要相談) 到達真空圧力:<5.0×10−5 Pa 400℃までの真空加熱が可能 (加熱プレート300 mmφ)。 |
機械特性 測定装置
3種類の万能試験機を使用して環境曝露前後の様々な材料の機械特性変化を評価しています。万能試験機では試験治具を取り換えることによって、引張・圧縮・曲げの他、多様な特性を評価することができます。
<恒温槽付き万能試験機> |
本体負荷容量:最大10 kN クロスヘッド速度範囲:0.001~1,000 mm/min クロスヘッド~テーブル間距離:1,200 mm(ストローク:965 mm) 温度範囲:−180~+320℃ 恒温槽内寸:幅220×奥行280×高さ600 mm 試験治具 ・引張試験用手動式くさび形つかみ具 ・粘着材用タック測定用治具 |
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<小型卓上万能試験機> |
写真右 本体負荷容量:最大5 kN クロスヘッド速度範囲:0.05~1,000 mm/min クロスヘッド~治具取り付け面間距離:166~1086 mm(ストローク:920 mm) 試験治具 ・引張試験用空気式平面形つかみ具 ・引張試験用手動式くさび形つかみ具 写真左 本体負荷容量:最大500 N クロスヘッド速度範囲:0.5~500 mm/min クロスヘッド~治具取り付け面間距離:500 mm(ストローク:400 mm) 試験治具 ・小型試験片用3点/4点曲げ試験治具 ・引張試験用手動式平面形つかみ具 |
熱光学特性および光学特性 測定装置
人工衛星の表面に使われる熱制御材料の熱物性および材料の光学特性を測定する装置です。
<太陽光吸収率 測定装置> |
測定波長範囲:250~2,500 nm このほか通常の紫外可視近赤外分光光度計として、波長範囲175~3,300 nmにおける様々な光学特性の測定が可能です。 |
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<垂直放射率 測定装置> |
測定波長範囲:2.5~100 μm 温度依存性:-150~+150℃ このほか通常のフーリェ変換型赤外分光光度計として、波長範囲1.67~100 μm(6,000~100 cm−1)における様々な光学特性測定・赤外分光分析が可能です。 |
<多角度可変分光特性 測定装置> |
サンプルへの入射角度、および光検出角度を様々に変化させてあらゆる角度の光学特性(反射光・透過光の拡散状態の評価など)を測定することができます。 測定波長範囲:190~2,800 nm (自動ポーラライザ使用時は250~2,500 nm) サンプル寸法:5~275 mm サンプル厚さ:<30 mm |
電気特性 測定装置
<抵抗率測定装置> |
ASTM D-257による方法で絶縁材料の表面抵抗率および体積抵抗率の測定が可能です。 |
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その他 物性測定・試験装置
<アウトガス試験装置> |
ASTM E-595によるアウトガス試験を行う装置です。九州工業大学の宇宙環境技術ラボラトリーに設置されており、試験をご希望の方はこちらから申し込みください。 本設備を用いた共同研究などをご希望される場合はこちらまでご連絡ください。 |
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真空搬送機構によるその場測定
真空中で様々な極限環境に曝露した材料を空気中に取り出すと、材料は空気の影響を受けて変質し、本来評価すべき材料の劣化特性が失われてしまいます。
このため極限環境による材料劣化の研究は、サンプルを真空中に保持したまま数多くの試験・測定を実施して進める必要があります。
<サンプルトランスファーシステム> 可搬型真空容器 接続ポートの一例 |
本研究拠点では日本各地に分散する設備を仮想接合し、高度かつ複雑な材料劣化評価試験を行うため、サンプルトランスファーシステムを構築しました。これは、可搬型真空容器、各設備の接続ポート、高機能サンプルホルダ、およびサンプルホルダ脱着把持機構からなり、真空に保持したまま(<1.0×10−3 Paで27日間真空保持の実績)サンプルを日本各地に輸送し、様々な試験・測定を実施可能にすべく活動を進めています。これにより材料の複合環境曝露とその場測定を可能にし、相乗効果を含む材料劣化の学術研究を推進すると共に、先進的・革新的プロジェクトに貢献します。 |
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<グローブボックス> |
酸素濃度1 ppm以下、露点−76℃(水分1 ppm)程度の環境に保持した状態で、様々な試料ハンドリング・測定・分析が可能です。グローブボックス内には様々な計測機器が設置できる設計になっており、上記の「サンプルトランスファーシステム」を併用することで自由度の高い試験・測定が可能になります。 |
試料調整設備
<真空封入装置> |
ガラス管内にサンプルを真空封入する際に使用します。 到達真空圧力:<1×10−3 Pa |
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